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天気の子 感想

 

ファフナーとは関係ないですがちょっとこの場所をお借りします。

箇条書きです。今日見たので周回遅れの感想だということは自覚していますがどうしても書きたかった。

 

まず一言で。

「見たか世界よこれがボーイミーツガールだ!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

<全体のストーリーとして>

・周回遅れの感想なのでn度目でしょうが言わせてください「狂ったままでいい」のあのセリフのためにこの映画あったでしょありがとう

・君の名は。では、ヒロインを助けることが、その他大勢をも助けて大団円に至る道筋だった一方、今回は「世界とヒロインどちらを取るか」という二者択一を迫られた。それゆえに導かれた答えの違い。

・話の流れがとても分かり易かったのが好き。

・物語において「突拍子も無い、抗う術が無いようなアクシデント」への対抗策ってだいたい仲間と考えたり誰かからヒントを得たりしてなんとか解決するもの、あるいは解決するまでの過程を描写することがメインになる気がするんだけど、今回はその答えがめちゃくちゃシンプルでわかりやすかった。

・個人的にああいうアクシデントに対する「どうにもならない絶望感」ってあんまり好きじゃないんですよね。これからどうしたらいいかの道筋を見つける可能性があまりにも奇跡的すぎて、必要以上の絶望感を覚えてしまう。それに加えて、「あの物語の登場人物だから奇跡的にできたことなんだな」って思ってしまう。それはそれでいいんですが。

・今回、「帆高が何者であるか」の描写が徹底的に省かれていたのもきっとそこにある。

「愛にできることはまだあるかい」

 

・帆高という人間だからできたことではなく、「愛があったからできたこと」だという描写の強調。

・やるべきことは簡単だ。あの場所に行けばいい。あの場所に行けば彼女にまた会える。帆高にも観客にもすぐに分かるし確信させるものだったから、とても安心して見ることができた。

・「答え」そのものが分かっているから、あとはそこに「どうやって行くか」だけ。原動力は「愛」だ。帆高という人間のパーソナリティやバックグラウンドを全て消し去って、「愛」という感情だけで行動させた。知略でもなんでもなく、ただただ彼女のもとへ走るという行為でもって。

・「帆高だからできたこと」ではなく、「愛があったからできたこと」。

・愛以外は、「彼女に会いたい」という気持ち以外は、何もいらない。

 

"Weathering with you"

 

・不思議な力を持つ少女と、何も持たない無力な少年。

・無力な少年にあったのは何かといえば、少女を繫ぎ止める愛だけだ。それ以外は何もなかった。

・「もう一度会いたい」という思いだけを胸に、「一緒にここで生きていくこと」を選んだ。

・だからこそ「君と一緒に乗り越える」というタイトルなのだ。個人的には「君と一緒に天気を祈る」と訳したい。

​・動詞のweatherには「風化する」という意味もある。ある1人の少女と、1人の少年の行いは風化して、誰も気に留めない。

・your name. が何のひねりもない英題だったのに対してコレ。君の名は。で覚えた少しのモヤモヤをスッキリ解消してくれた天気の子大好きです。

 

・予想通りに予想の150%を展開してくる作品だった。安心して見れたのが個人的にとてもポイント高い。

・徹底的に「少女と少年」のみにフォーカスするスタイルは大好きです。

 

<時間の流れ>

・穂高が非常階段に飛び出た瞬間に踊り場の床が抜けたシーン、「これでもう戻れる道はなくなったぞ!!!!!」と全私が心の中でスタンディングオベーションした。もともと戻る気などない道。床が抜けたからなんだ。ただただ走るだけ。

・「階段を上る」という描写が目立った今回。海よりも深い謎に包まれた”空”へと至る道。君の名は。で瀧くん(三葉body)が”彼岸”のある山頂に向かって雨の中を走った描写と似ている。

・時間の流れは下に向かうもの。流れる滝も、落ちる星も、舞う花弁も、降る雨も、全て地面へと向かう。

・抗う者は上へとのぼる。階段を、山道を。

・雨と階段といえば「言の葉の庭」。階段が流れを表すものであるならば、停滞から抜け出すために必要だったのがあの階段だったのかもしれない。しかし語れるほど覚えていないのでもう一度見たい。

<演出とか交えた所感>

・「かたわれどき」といい屋上で初めて見た「今から晴れるよ」の演出といい、こういう構図大好きだよなわかる~~~~~!!!!!!!

・「入れ替わっとる~~~?!」→前前前世イントロジャカジャカと同様、物語が転換点を迎えたところでRAD流して丸め込む演出、新海誠とRADWINPSだからできる所業だよな………………………………………強引だけど音楽のパワーを借りて一瞬で観客を物語の続きへとひとっとびに連れ去ってしまう演出。ずるいぞ新海&野田そういうところが好き (使いすぎると陳腐になるから飽きる人は飽きるだろうなとも思った)

・100%の晴れ女!っていって調子に乗り始めたあたりで私の中で警報がガンガンに鳴り響いていた。

・強い力には代償があるかもしれないという予期ではなく(むしろこれに関しては君の名は。で摩訶不思議パワーの負の作用があまり描写されなかったので論理的に考えて構えていたわけではなく)、単純に「こんなに事が上手く運ぶはずがない」「上手くいきすぎて怖い」という漠然とした不安感。

・この指輪絶対素直に渡せないやつだーーーーーーーー知ってる知ってるぞーーーーーーーーー!!!!!!と身構えていたので案の定と言う感じでしたね一度は渡せてよかった。

・傘を差す描写、何度も出てきたけど、誕生日の前日、指輪をこれから渡すってときに「黒い傘」を広げるのほんと心臓に悪かったのでやめてほしい。。

・線路を走っていたときの帆高がJRの人たちに止められなかったのは主人公補正だったか、それとも単純にJRの人の仕事ではないからなのか。それとも穂高があまりに必死すぎてそれを止めようという気にならなかったのか。個人的には”たかだか少年一人が線路を走っていても力ずくで止めるほどの価値はないと判断されたから”だと思っています。彼の人生と少女の命と東京の命運がかかった道のりだとしても、「いるよなああいうバカ」程度の認識にしかならない。

 

・帆高が銃口を向ける先を迷う構図、「何に抗えばいいのかを的確に判断できるような聡明な少年ではない」という感じがして好き。

・帆高は拳銃を威嚇射撃にしか使っていない。帆高は拾った拳銃を使いこなして危機を乗り越えるようなスーパーヒーロではなく、普通の少年であることの強調。

・帆高が天気の世界に行った後、大きな龍に飲まれて青い世界に放り出された瞬間。あの瞬間のために私は劇場に足を運んだんだなって感じがした。

​・CV小栗旬の方、本当に帆高と重ねて描写されてたなぁという印象。知らず流れた涙は、何のための涙だったか。失った誰かを追い求める気持ちは、きっと──。もう一回見るときはあの人に注目したい。

<キャストとか本筋あんま関係ない話>

・劇場で梶裕貴のひっくい声聞けたの最高すぎた 「待ちやがれ」とかそういう口の悪い感じ最高でした 「撃たせないでくれよ」みたいなこと言うのも最高に好き あの梶裕貴のためにもう一回劇場来たいまである

・このチャラいのめっちゃ木村良平の声するなと思ったらほんとに木村良平だったし役名も木村だったのでエンドロールで大爆笑した 小物臭のする木村良平すきです

・小栗旬全然わかんなかった……小栗旬すげえな……

・ファンサービスが露骨。瀧くん出てきてくれて嬉しかったけどさ~~~!!!てっしーのところみたいに一瞬出すくらいで十分なんだよ いや劇場版で前作主人公が出てくるの最高に好きですけど NTのラストにバナージ出てきたときとか最高に興奮しましたけど 露骨すぎてそこまで「最高~~!!!」とはならなかった。天気の子なんだよ君の名は終わったんだよ(面倒なオタク)

・マジで関係ないんですけど「ひなさん」ってめっちゃ呼ばれるから反応してしまった。ひなさんはここにいます。

・この令和の時代にTHEセカイ系ボーイミーツガールを見せつけられたオタクワイ氏、無事死亡。灼眼のシャナが好きな時点で細部の方向性は違えど「異能を持つ少女と平凡以下の少年の出会い」「世界を変えてしまうボーイミーツガール」が刺さらないはずがないんだよなぁ。灼眼のシャナは最終的に世界を1つ作っちゃう壮大な痴話喧嘩ですよろしくお願いします

・エロゲって言われてたのわかりみが深すぎたし終始腕組んで批評顔で見てた。ただのオタクだ。「アレ最初に拳銃捨ててなかったらダメだな警察に連行されてBAD確定じゃん」「凪くんと姪っ子さんの好感度稼いでないとここで詰む」「一回警察に捕まらないとダメ」「威嚇射撃はするべき」etcという感じで選択肢が見えていた……。ホテルでの会話で「晴れたら嬉しいか」と問われて「うん」と答えてなかったら「雨は降り続くけど陽菜は消える」とかいうバドエンになるんでしょ

 

<総括>

・ボーイミーツガールの前に世界なぞ些細な問題である。

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